導入事例

システム導入でデータ入力の手間が劇的に改善。
サーベイランスやラウンド資料も
簡単に作成できるようになりました。

施設名
日本赤十字社 伊達赤十字病院
所在地
北海道伊達市末永町81番地
病床数
330床
設立
1940年8月
URL
https://date.jrc.or.jp/

伊達赤十字病院様は、「赤十字のこころを基に、地域の皆様に信頼される医療を目指します。」を理念として掲げられ、急性期医療から慢性期医療、在宅復帰を支援する地域包括ケア病棟を兼ね備えた病院として、西胆振の医療を支えています。また教育委員会や保健所と協力して、地域への実演や講習会なども積極的に取り組まれています。
現在、伊達赤十字病院様はオーダリングシステムを使用しており、感染制御支援システムICT Mateについては2021年より運用を開始しました。今回はシステムをご導入いただいた経緯や、システムの活用状況ならびに今後のシステムへの期待について、感染管理室の皆様にお伺いしています。

システム導入前の課題と導入のきっかけ

松浦様:

いくつかありますが、特に院内全体の感染者の状況が一目で分からないという課題がありました。

前田様:

耐性菌や感染対策についての対応はしていましたが、次の日にならないとレポートが出てこないなど、即時性がなくリアルタイムでの感染対策に関する対応ができませんでした。そのあたりは非常に問題だと思っていました。

以前は患者さんの配置状況や移動歴を各担当者が都度入力しないといけなかったので、忙しいと抜けてしまい、正確な情報をつかめなかったというのもありますね。患者さんの部屋の移動歴を担当者の記憶にたどるしかない状態で、そこを把握するだけでも半日は要していました。そもそも忙しくしている看護師に、記憶をたどってもらうことを依頼するのも心苦しかったです。

それ以外にはどのような課題がありましたか?

前田様:

それ以外だと職員の抗体価の管理や、研修会が参集型でしか実施できなかったのも課題としてありました。参集型の場合、全員の予定調整が難しいですよね。今はどのぐらいの頻度で実施していましたっけ?

大野様:

今は年4回実施しています。また参集できないときはICT Mateでeラーニングをつかって配信ができるようになりましたので、各自の予定に合わせて受講が可能ですよね。テストもついていて、研修を受講できた方の確認ができるようになりました。他にもリンクスタッフの活動動画を撮影して、eラーニング機能の資料として掲載しています。年間の活動報告も皆が見られるようにしていたり、参集型以外の方法でも教育ができるようになりました。

近藤様:

薬剤部での課題は、ラウンドの資料作成でした。以前は抗菌薬の資料で誰にどんな薬が出ているかは分かるものの、どれくらいの期間使っているかは一人ひとり画面を開かないと分からず、ラウンドの資料を作るにも多大な時間がかかっていたと思います。そこが課題でした。

当社の決め手は何だったのでしょうか?

松浦様:

全部ですね!営業さんも良かったし、技術さんの対応も良かったし。あと病院を説得するのに一番大切なのは費用面ですが、予算にも合っていたのでICT Mateを選びました。

前田様:

あとはデモ機を貸出していただけたことが大きかったです。実際の使い勝手がよく分かりました。デモ機を使っているときに困ることや疑問点があれば、電話をして解決に至ることができたので、技術力の高さを感じましたし、信頼感がありました。

システム導入後の業務改善や活用事例について

大野様:

ICT Mateの導入後は、感染症が発生している患者さんが一目で分かるようになり、リアルタイムで正確な情報が出るのが本当に助かっています。また院内の誰でも見ることができますので、感染管理室だけではなく病棟の管理者とも共有しながら対策ができています。あとはアウトブレイク時にゾーニングのマップは大変役立っていますね。

情報共有についてはリアルタイムで感染対策を行う上で重要ですよね。

前田様:

そうですね。情報共有するには全員で同じものを見ないといけないと思っています。その点でICT Mateの優れているのは、指定フォルダにデータを入れただけですぐにTOP画面に反映されるところかなと思っています。システム担当者でなくても非常に簡単な操作でTOP画面に載せられるので、利用のハードルがぐっと下がったと思いますね。

またそれ以外にもSSIサーベイランスの報告書作成のための入力作業は楽になりましたね。自分がSSIサーベイランスの入力担当をしているのですが、手術オーダーが稼働したタイミングでICT Mateに紐づけすることができました。今までは紙ベースだったので、1ヶ月分の内容を報告書のために入力をするのが丸一日かかっていました。今はSSIサーベイランスの半年分の入力が、片手間の半日で終わるくらい短縮されて劇的に楽になりました。システム連携ってなんて楽なのだろう!と思いました。間違いなく楽になるツールですね。

冒頭でもお話いただきましたが、職員の抗体価管理についてはいかがでしょうか。

松浦様:

今までやろうとは思いつつできていませんでしたが、ICT Mateを導入してからは一覧で出てくるので管理しやすくなりました。具体的には、職員の水痘と麻疹の抗体価を全員調べて、ワクチン接種につなげることができましたね。

抗菌薬に関連する機能についてはいかがでしょうか。

近藤様:

最初もお話した通り、抗菌薬を使っている患者さんはわかるけど、いつから使っているかという期間がわからないという問題は解消しました。培養結果もセットで記されているので、何のきっかけで抗菌薬を使っているのかが分かりやすくなりましたね。ラウンドの資料作成もその機能のおかげで減りました。長期で使っている人をリストアップしたいときに、何日間使っているかをすぐに抽出できる。かなり助けられています。

金田様:

ラウンドするときの資料が使いやすいですね。以前だったら薬に関する部分は薬剤部で作成し、検査室で検査結果を入れるという二段階の作業でしたが、今は一回で済むので助かっています。

松浦様:

あとラウンド機能については、振り返りがしやすいのが良いですよね。ただ項目が変えられないのがちょっと残念ですね。あと要望でいうと、報告書を作成するときにカメラで撮った写真を上げるのですが、画質が落ちてしまいます。そこは改善いただきたいなと思いますね。

システムに今後望むことや期待する機能について

前田様:

既存のeラーニング機能は十分使えるのですが、文字数の制限や使い勝手の部分でもう少し改善の余地があるかなと思っています。

コロナ禍を機に他の施設様からも多くご意見をいただいていて、現在取りまとめて改善要望を検討中です。またフィードバックさせていただきます。

前田様:

あと、職員リストはオーダーリングから流れ込んでいると思っていたが、所属セクションまでは取り込めていないと思います。所属セクションを後付けでも良いので取り込むことができれば、部署別での受講率を簡単に出せるようになると思うのでやりたいですね。

人事課様などのデータなどがあればファイルで取り込んで反映できる機能はございますよ。またお手伝いさせて頂きますね。

松浦様:

あとデータ集計やサーベイランスの機能だと、あらかじめ集計フォーマットとか用意してくれていて、勝手にグラフ化してくれると最高ですね。期待しています!

院内で担当者以外の活用状況についてはいかがでしょうか?

大野様:

導入時に勉強会があったのですが実は看護部ではなかなか定着せずに、ICT Mateが研修動画を見るシステムになってしまっているのが現状です。看護師向けの学習会や資料などあればうれしいなと思っています。

松浦様:

コロナ禍での導入だったこともあり当時はドタバタしていました。今は落ち着いているので勉強会などを改めて実施していただきたいと思います。スタッフが使いたい機能と、我々ICTが使いたい機能は違いますので、職種に分けて実施してもらえると良いなと思います。

今後取り組みたい内容について

今後伊達赤十字病院様で取り組みたいことなどはありますでしょうか?ICT Mateの活用以外でも大丈夫です!

前田様:

検査側ではカスケードレポートを始めました。カスケードレポート自体は感染管理システムでどうこうという話ではないのですが、うちの取り組みとしてはそういうものがありますし、今後も継続していきたいですね。

HPに掲載されている広報誌で、地域と連携して小学校で手洗いの講習などをされていると拝見して、珍しいなと感じました。

松浦様:

小学校や中学校など他の施設でも市の教育委員会や保健所と協力して実施しています。小さいころに習慣をつけておきたいので、ご案内出して希望のあったところにはやっていますね。小学校からの依頼ではなく、こちらからの発信で行っています。
是非企業さんにもご協力いただきまして(笑)一緒に小学校に行って皆でやりたいですね!お声がけお待ちしております!

貴重なお話を頂戴しありがとうございました。

取材日:2024年4月

ご協力:
看護師長 感染管理認定看護師 松浦 英樹 様
看護係長感染管理認定看護師 大野 美由記 様
薬剤部 薬品情報課 薬品情報係長 感染制御認定薬剤師 金田 光弘 様
検査部 生理検査課長 感染制御認定臨床微生物検査技師 前田 孝嗣 様
薬剤部 薬剤師 近藤 績 様

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